先日、比較的ディフェンシブな投資スタイル「オールウェザーポートフォリオ」
の発案者でもあるレイ・ダリオについて記事にしました。
本日は、レイ・ダリオとは対照的に、株式に対して非常に強気な投資哲学を持つアメリカの経済学者(投資家)ジェレミー・シーゲルについて書いていきます。
株式投資の巨匠ジェレミー・シーゲル:彼の哲学をわかりやすく解説
株式投資について学びたいけれど、どこから始めて良いのかわからない…そんな方におすすめしたいのが、ジェレミー・シーゲルの投資哲学です。シーゲルはペンシルベニア大学ウォートンスクールの教授で、長期投資の重要性を説いた著書『株式投資』で有名です。
今回は、シーゲルの投資哲学を初心者でもわかりやすいようにまとめました。
● シーゲル流投資の基本哲学
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長期投資を重視する
- 短期の株価変動は予測困難。しかし、長期的には株式市場は安定して成長し、他の資産クラス(債券、不動産、現金)を上回るリターンをもたらします。
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配当再投資の重要性
- 配当をただ受け取るだけでなく、それを再投資することで、複利の力を活用できます。これにより、投資元本が長期的に大きく増えます。
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割安な株(バリュー株)を好む
- 成長性が注目される企業(グロース株)よりも、PER(株価収益率)が低い割安株に投資する方が長期的に高いリターンを得られるとシーゲルは主張しています。
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インデックスファンドやETFの活用
- 個別株よりも分散投資が可能な低コストのインデックスファンドやETFを推奨しています。
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マーケットタイミングを狙わない
- 市場の上下を予測して売買のタイミングを計るのではなく、一貫して市場に投資し続けることが重要です。
● シーゲルが好む銘柄の特徴
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高配当株
- タバコ株や石油株のように、安定して高い配当を支払う企業。
- 特に、タバコ株のアルトリア・グループ(MO)は、シーゲルの研究で長期的に最も高いリターンをもたらした銘柄の一つとされています。
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オールドエコノミー銘柄
- タバコや石油などの伝統的な産業に属する企業は、安定したキャッシュフローと配当を提供する傾向があります。
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バリュー株
- 市場で割安とされる企業は、長期的に見て市場平均を上回るリターンをもたらす可能性が高いと考えています。
● 配当再投資がもたらす驚異的な効果
配当再投資はシーゲルの投資哲学の中核です。その力を理解するために、次のポイントを押さえましょう。
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配当の再投資による複利効果
- 配当をそのまま再投資すると、元本が増え、次回以降の配当がさらに増加します。このサイクルが長期間続くことで、資産が大きく成長します。
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S&P 500指数の事例
- シーゲルの研究では、1926年からのS&P 500指数のリターンの約75%が配当再投資に起因していることが明らかになっています。
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安定的なリターンの源泉
- 配当収入は、株価の変動に左右されにくく、不況期にも一定のキャッシュフローをもたらします。
● 注意点:リスクを理解しよう
シーゲルの哲学は長期投資に有効ですが、いくつかの注意点もあります。
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短期的な価格変動への耐性
- 市場が下落する局面では、配当再投資を続ける冷静さが求められます。
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規制リスク
- タバコや石油といった産業は、規制や環境問題による影響を受けやすいです。
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未来の市場環境への不確実性
- シーゲルの研究は過去のデータに基づいていますが、未来が必ずしも同じとは限りません。
● 初心者向けの一歩:どう始める?
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まずはインデックスファンドやETFを購入
- S&P 500に連動するETF(VOOやSPYなど)は、シーゲルの哲学に合致する手軽な選択肢です。
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長期的な視点を持つ
- 毎日の価格変動を気にせず、数年‐数十年のスパンで運用を続けることが成功の鍵です。
● まとめ
ジェレミー・シーゲルの投資哲学は、シンプルながら長期的な資産形成に非常に有効です。特に、配当再投資と長期的な視点を重視する点は、初心者でも取り組みやすい方法です。株式市場に対する不安がある方も、この哲学を参考にして、一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか?
(2024/12/19)