おはようございます✨
本日は四季報や、証券会社のサイトを見ると確実に出てくる、最も有名な指標の一つであるPER(株価収益率、Price-Earning-Ratio)について、できるだけ簡単に解説していきます🌵
非常に重要な指標ですし、参考にしている人も非常に多いので、個別株投資をこれから始めようと思っている方は是非覚えておいて損はないと思います✨✨
PERって何?
今の株価が本来の価値より高いか低いかを判断する指標の1つです。
計算式としては
PER=株価/一株あたり当期純利益(EPS)で求めることができますが、小難しい話は今は覚えなくてもよいです。要は、
あなたが渡したお金に対して会社がどれだけの利益を稼ぐことができるか
を数値化したものです。
①A社の一株の値段は100円です。A社は1年間に一株あたり10円の利益を稼いでくることができます。A社のPERは100/10で10倍となります。
②B社の一株の値段も100円です。しかしB社は効率良く稼げているので一株あたり20円の利益を稼いでくることができます。B社のPERは100/20で5倍となります。
PER10倍のA社と、PER5倍のB社どちらに投資しようと思いますか?
当然同じお金を渡すならより効率よく稼いでくれるB社の方に投資したいと思う方がほとんどではないでしょうか?
つまり基本的にPERは低い方が良いのです。
※ただしその数値だけをして良い投資先かどうかは判定できないので後記します。
※PERは年によって上下が激しい
PERは計算方式上、1期単位で算出されますので、なにか特別な事情があって特別儲かった年や特別厳しかった年なんかは普段とはかけ離れた数値が出ることがあります。
毎年赤字だった会社が、今年だけ特別に大口の仕事があって儲かった場合PERが低く(=優秀な会社のように)見えることがありますし、逆に毎年優秀な数字を出している会社でも、今期だけなにかしらの失敗があって利益が出せずにPERが高く(=ダメな会社のように)見えることもあります。
つまり単年の数値だけを見るのではなく、過去何年分かの数値を見比べ、明らかに他の年度と数字がかけ離れている時は注意する必要があります。
※PERは未来の業績を織り込む
日本株全体としての平均PERは約15倍程度です。つまりそれを下回っていれば平均よりも効率よく稼げている会社、上回っていればその逆ともとれます。
(勿論業種などによっても大きく左右されますが。)
しかし日本株の中には、現在決して業績が悪いわけではないにも関わらず、PERが万年低い会社も存在します。
何故そんなことが起きるのかというと、未来の業績悪化を皆が予想して、すでに株価が下がっているからです。
例えば銀行。メガバンクでもAI化による大量リストラのニュースが流れたり、もうすぐ潰れる銀行リストなんてものが雑誌にとりあげられたりしています。
皆がこれから銀行が再興する未来をイメージしていないから株価は業績の割に下がります。PER一桁代の地方銀行もザラにあります。
例えば小売。Amazonや楽天、ZOZOなどネットショッピングの発展により実店舗を持つ小売業なんかは非常に先行きが暗い。ネットでは在庫は常にある上に、頼んだ翌日、翌々日には家に届く。ついでにポイントも付き店で買うよりも安い。今後の見通しが明るくないから株価はそれを織り込んで下がります。
逆にIT企業なんかでは、将来の成長、明るいイメージを織り込んで、現在の業績の割に株価が非常にあがりやすいです。PER30倍なんかもザラにあります。
つまりPERが低い会社でも、何故PERが低いのかを考えていく必要があります。
総評
つまりPERは1年間単位での利益獲得能力を表すと同時に、会社の未来への期待や不安をも織り込む指標です。
極めて重要な指標の1つではありますが、高いから劣った会社、低いから優秀な会社と一概に判別することはできません。
他の指標と組み合わせたり、他の様々な要素も考える必要があります。
具体的に私がどのようにPERを使用しているかというと、
①何年分かを並べて、異常に高い時や低い時がないか、何があってそうなったのか
②似た仕事をしている他社と比べ高いのか低いのか、差があるならそれは何故なのか
等々を調べ、あくまでアプローチの一つの手段として使用しています💦
私は基本的にバリュー(割安株)投資家ですので、PERが20倍を大きく超えるような新興企業やIT企業なんかは買う機会が少なめですが、グロース(成長株)投資家の方などはそういった銘柄を好みますし、一概にどちらが良い悪いと言えるものでもないです。
あくまで過信しすぎず、会社の業績を理解するための一つの手段としてPERを活用していきましょう!これまでよりも少し深く企業のことを理解できるようになるかもしれません✨
投資で損をしないための、最初の一歩は
「自分が分からないものには投資をしない」ことです。
このブログが皆様の「分からない」を減らすお手伝いができれば幸いです✨