せつこの兼業投資家日記

配当金や売買銘柄など

【2024年】REITにおけるNAV倍率とは

 

REIT(不動産投資信託)におけるNAV倍率(Net Asset Value倍率)は、REITの株価がその純資産価値(NAV)に対してどれくらいの倍率で取引されているかを示す指標です。

 

と一口に言っても理解が進みづらいので、具体例を出して考えていきます。

 

資産が1,000 負債が800 発行済投資口数が100 株価が1

といったREITがあると仮定します。この場合

 

NAV=資産1,000-負債800=200

時価総額=発行済投資口数100*株価1=100

NAV200に対して時価総額が100であるため

 

時価総額100/NAV200=NAV倍率0.5となります。

 

REITの持つ純資産が200であるのに対し、市場価値は100としか評価しておらず、割安であることを示します。株式におけるPBRの考えに近いですね。

 

NAV倍率が1.0以上

・市場はそのREITに対して高い評価をしている。

・収益性が期待されている場合や、将来的な成長が見込まれる場合に起こりやすい。

 

NAV倍率が1.0未満

・市場はそのREITに対してあまり良い評価をしていない。

・資産運用の効率性や収益性に懸念がある場合、または市場全体が不安定な場合などに見られる。

 

REITの株価はNAV倍率以外にも、市場の金利動向や経済情勢などの影響も強くうけるため、この指標のみでREITの良し悪しを判断することは難しいです。

ただし他REITの平均から大きく乖離して倍率が高い(低い)場合などには、何らかの要因があるのでは?と一度立ち止まって考えてみるのもよいかもしれません。

 

2024年現在はNAV倍率の平均はおおむね0.8~0.9倍程度を推移しています。

また過去10年程度の平均値は約1.1倍程度です。

 

直近の数値が過去10年間の中でも最低に近い数字となっております。

その理由としては日本の政策金利の上昇が一つの要因です。

 

ほとんどのREITが、不動産購入や運営のために借入を行っています。

金利の上昇により利息負担が増えることで運用コストが増加し、収益状況が悪化することが懸念されています。

また収益状況が悪化した場合は、投資家に対する分配金の減少のおそれがあり、これも直近のNAV倍率をさげている一因です。

金利上昇は債券投資の利回りを押し上げるので、REITの分配利回りに対する相対的な魅力が減少します。

 

他にはリモートワークの定着によるオフィスREITの収益性の悪化等、様々な要因が考えられます。

 

とはいえ、歴史的に見れば現在のJ-REITは比較的割安な水準に位置しており、魅力的な利回りの商品も増えてきています。

PFの一角に据えてみるのも面白いかもしれません。

 

(2024/11/28)

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