せつこの兼業投資家日記

投資に関する解説(備忘録)

【2025年】現代ポートフォリオ理論とは?

経済学者ハリー・マーコウィッツが提唱し、ノーベル経済学賞を受賞している「現代ポートフォリオ理論」について記載します。

 

現代ポートフォリオ理論とは?オルカンやS&P500はどう関係する?

投資初心者の方が「分散投資」について調べると、「現代ポートフォリオ理論(MPT)」という言葉を見かけることがあるかもしれません。これは、リスクを抑えながらリターンを最大化する投資手法を数学的に説明した理論です。

しかし、「オールカントリー(オルカン)」や「S&P500」といった人気のインデックスファンドが、この理論にどの程度沿っているのか気になる方も多いのではないでしょうか?
この記事では、MPTの基本と、オルカンやS&P500との関係を初心者向けに詳しく解説します。


現代ポートフォリオ理論(MPT)とは?

現代ポートフォリオ理論(MPT:Modern Portfolio Theory)は、1952年に経済学者ハリー・マーコウィッツが提唱した投資理論です。簡単に言うと、「異なる種類の資産を組み合わせることで、リスクを減らしながらできるだけ高いリターンを目指す」という考え方です。

MPTの基本となる考え方

  1. 分散投資をすることでリスクを減らす

    • 1つの銘柄や1つの国に集中投資すると、値動きの影響を大きく受けるためリスクが高くなります。
    • 例えば、日本株だけではなく、米国株・欧州株・新興国株などを組み合わせることでリスクを分散できます。
    • 一つの市場や国の経済が低迷しても、他の地域の成長がポートフォリオを支える可能性があります。
  2. リスクとリターンのバランスを最適化する

    • 高いリターンを狙うほどリスクも高くなりますが、うまく分散すればリスクを抑えながらリターンを最大化できます。
    • 投資は短期的な値動きではなく、長期的な視点を持って判断することが重要です。
    • 例えば、株式と債券を組み合わせることで、景気変動に対する耐性を高めることができます。
  3. 異なる動きをする資産を組み合わせる(相関を考える)

    • 例えば、株式と債券は値動きが異なることが多いです。株価が下がると債券が上がることがあり、両方を持つことでリスクを軽減できます。
    • 不動産やコモディティ(貴金属など)を組み合わせることで、さらにリスクヘッジが可能になります。
    • こうした資産の相関関係を考慮することで、より安定したポートフォリオを構築できます。

オルカンやS&P500はMPTに則っているのか?

では、実際に人気のインデックスファンドである「オルカン(全世界株式)」や「S&P500(米国株)」は、MPTの考え方にどの程度沿っているのでしょうか?

① オルカン(全世界株式)

  • 世界中の株式市場に分散投資するため、「国や地域のリスク分散」はできています。
  • しかし、投資対象が株式のみであるため、「資産クラスの分散(債券や不動産など)」はされていません。
  • 株式市場全体の動向に影響を受けるため、景気後退局面ではポートフォリオ全体が下落する可能性があります。
  • MPTの考え方に一部沿っていますが、よりリスクを抑えたいなら債券などを組み合わせるとよいでしょう。

② S&P500(米国株式)

  • 米国の大企業500社に分散投資することで、1つの企業や業種へのリスクは低減できます。
  • ただし、投資対象が米国の株式だけなので、「地理的分散」はオルカンよりも少ないです。
  • また、こちらも株式100%なので、MPTの推奨する「異なる資産クラスの分散」にはなっていません。
  • 米国市場が好調なときは大きなリターンが期待できますが、米国経済が低迷すると影響を大きく受ける可能性があります。

MPTにより忠実に従うためには?

MPTの考え方により忠実に従うためには、株式だけではなく、異なる値動きをする資産も組み合わせることが重要です。

MPT的なポートフォリオの作り方

  • オルカン+債券ファンド(米国債券・全世界債券)
  • S&P500+債券+他の資産クラス(リート・ゴールドなど)
  • リスク許容度に応じて株式と債券の比率を調整する

例えば、リスクを抑えたいなら「株式70%+債券30%」のような形にするのが有効です。


まとめ

オルカンやS&P500は、ある程度MPTの考え方に沿っていますが、「資産クラスの分散が不十分」という点が課題です。

  • オルカンは、国際分散投資はできているが、株式100%なので資産クラスの分散がない。
  • S&P500は、米国の優良企業に分散投資できるが、地域・資産クラスの分散が不足している。
  • MPTの考え方を取り入れるなら、債券や他の資産クラスも組み合わせるのが理想的

インデックスファンドを活用しながら、自分に合ったリスクバランスを考えたポートフォリオを作っていきましょう。

 

(2025/2/10)

 

 

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